
芝公園駅から徒歩五分。 都会の喧騒に包まれる中、そのコンビニエンスストアはひっそりと、しかし謙虚ながらも確実にその存在感を主張しつつそこに建っていました。 一見どこにでもある、ありふれたセブンイレブンいい気分のように見えますがその通りです。 このセブンイレブンはただのセブンイレブン以外の何者でもありません。 しかし、この飲食店ひしめく激戦区に建っていながら未だに店を畳むことなくそこにあり続けるだけの”何か”を持ついわば可能性の獣と評するべき存在でもあります。 ではその”何か”とは何でしょうか。 私はそれを解明するべく彼の地に赴きました。 最初に自動ドアをくぐった際は 「ただのコンビニ」 その程度の感想しか抱くことがなく、 「私の勘違いだったか、適当に買い物でもして帰ろう」 と思っていました。 しかしそこに陳列された商品を一つ一つ吟味するうちに私の頭の中を支配していったのは圧倒的なスペシャリストたちの協演とも言える情景でした。 まず私の心を奪ったのはゆずレモン味のサイダーでした。 ゆずレモンという誰も嫌いな人がいないであろう味のサイダーを気軽に販売している上に絶対売れるからと足元を見るような価格にすることなく、ほぼワンコイン(執筆時)で販売しているというところからセブンイレブンの懐の深さを感じることができ、この店は只者でないかもしれない。そう思わされるだけのインパクトを私に与えました。 しかしそれはセブンイレブンというコンビニ自体の特色。 決してこの店舗の特色ではないと思いなおし、また商品の吟味に戻ろうとした私を次に捉えたのは店員さんが描いたであろうPOPでした。 一見ただのPOP、しかしその実商品の一番の特徴であろう部分を短く且つダイレクトに伝えるそのセンス。それを見た瞬間私は「これか!」と半ば確信に近いものを感じました。セブンイレブンの持つ高い商品力、それを際立たせる定員さんのセンス、これらの掛け合わせにより来る人の購買意欲を掻き立てているためこの店舗はこんなにも人を惹きつけているのだと結論付けました。 これを読んだ皆さん。 大げさだと思われますか? 本当にここまでのお店かどうかは是非行って確かめてみてください。 そこにあなたにとっての新たな気づきが待ち受けていることでしょう。